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Channel: 大阪大学 大学院理学研究科・理学部大阪大学 大学院理学研究科・理学部
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花の形の多様性を創出する原理を発見! ―左右対称な花を形づくる仕組みを計算機シミュレーションから予測―

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大阪大学全学教育推進機構の北沢美帆助教と大学院理学研究科の藤本仰一准教授らの研究グループは、花びらをはじめとする花器官の配置の多様性を生み出す花の発生過程の特徴を世界で初めて明らかにしました。私たちの身近にある花の形は種ごとに極めて多様な形を示します。ランやマメやキンギョソウなどは、花びらが左右対称に配置し、数や配置は種ごとに異なります(図)。

これまで、花が発生する時に花器官の配置を複数の因子(遺伝子や花の外側にある器官)が抑制することは知られていましたが、これらの因子が配置の多様性をどう実現しているかについては解明されていませんでした。

今回、北沢助教と藤本准教授らの研究グループは、各因子による抑制効果を新たにモデルへ導入して、計算機シミュレーションを行いました。その結果、これら因子が左右対称な花器官の数と配置の多様性をどう実現しているかが分かり、花の咲く植物(被子植物)全体をおおよそ網羅する制御機構を包括的に再現することに成功しました。私たちが身近に感じる多様な花の形を生み出す原理を解明することで、植物の発生や進化の過程の理解が進むとともに、基礎科学研究の面白さの理解がさらに深まることが期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Development(2020年1月22日付)」(オンライン)に公開されました。

図 花器官の数と配置の多様性

花びら(花弁)とがくの左右対称な配置は、それぞれの系統ごとに特徴を持つ。花の背側に主軸(⚫で表す)があり、多くの場合、咲いた花の上側に対応する。ランは、花の発生過程で花の上下が反転し、花の下側が背側となる。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 准教授 藤本仰一(ふじもとこういち)
TEL/FAX:06-6850-5822
E-mail: fujimoto@bio.sci.osaka-u.ac.jp


新見康洋准教授(物理学専攻)が第23回(令和元年度)丸文学術賞を受賞しました

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新見康洋准教授(物理学専攻)が、第23回(令和元年度)丸文学術賞を受賞しました。

本賞は、科学技術の進歩ならびに次世代の産業創出に資する創造的産業技術の向上に対して最も貢献が期待される顕著な研究業績、将来的に貢献が期待される研究業績、または成果を挙げつつある研究をするものに授与されます。

今回の受賞は、新見康洋准教授の「微小伝導体内の電子の量子コヒーレンスとスピン輸送の研究」が高く評価されたものです。

なお、授賞式・贈呈式は、令和2年3月5日(木)に大阪大学豊中キャンパス理学研究科研究科長室にて行われました。

(参考)一般財団法人 丸文財団HP
    令和元年度研究業績表彰受賞・交流研究助成受領者一覧

2020春夏学期オナーセミナー開講案内

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2019年度秋冬学期授業内での配布や掲示によりお知らせしています
「2020年度オナー開講案内」について、以下の情報を更新しました。

① 数学オナーセミナーの概要
「数え上げ幾何と弦理論」「フーリエ解析入門」「結晶群の幾何と代数」
「線形代数と正多面体」の4セミナーが開講されます。

② 物理オナーセミナー(春夏学期開講)のFirst contact情報

各詳細については、以下のリンク先よりご確認ください。
* 「2020年度オナーセミナー開講案内」最新版はこちら
* 理数オナープログラムページはこちら

申込書提出期限:2020年4月13日(月)13:00(数学)
                       2020年4月15日(水)13:00(物理・化学・生物)
申込書提出先: 理学部プロジェクト事務局(C203)

宇宙線電子加速の「はじめの一歩」

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宇宙空間から絶えず地球に降り注ぐ超高エネルギーの荷電粒子(宇宙線)の起源は宇宙物理学における長年の謎になっており、これまでにも宇宙線の加速メカニズムに関するさまざまな研究が続けられてきました。特に宇宙線の電子に関しては、初期に光の速さと同程度の速度を持った宇宙線の「種」となる電子を加速するメカニズムは知られていましたが、そのような「種」を作るメカニズムは知られていませんでした。すなわち、宇宙線加速の言わば「はじめの一歩」が、最初にして最大の難関であったのです。

東京大学大学院理学系研究科の天野孝伸准教授らのグループは、NASA のMMS 衛星の観測データを用いることで、この問題の解決に大きく迫ることに成功しました(図参照)。本研究グループは最近新たな理論モデルを提唱していましたが、このモデルがMMS衛星が観測した地球近傍の衝撃波の観測事実を矛盾なく説明できることが示されました。さらに、このモデルを遠く超新星残骸衝撃波に適用することによって、宇宙線加速の「はじめの一歩」の問題を理論的に説明できることが分かりました。この知見を用いることで、将来的には電子のみならず陽子(水素の原子核)も含めた宇宙線加速の全体像の理解が進展することが期待されます。

なお、本研究は天野孝伸准教授のほか、加藤拓馬博士課程大学院生、北村成寿特任研究員、星野真弘教授(以上,東京大学大学院理学系研究科)、松本洋介特任准教授(千葉大学大学院理学研究科)、齋藤義文教授(JAXA 宇宙科学研究所)、横田勝一郎准教授(大阪大学大学院理学研究科)を含めた国際研究グループによる共同研究です。

本研究成果は2月14日付でPhysical Review Letters に掲載されました。

図:本研究の概念図。本研究では地球からの距離が数万kmの距離にほぼ定常に存在する衝撃波の人工衛星による観測データを解析しました。一方でこの結果もとにすることで、数千光年離れた超新星残骸衝撃波での宇宙線電子加速の「はじめの一歩」が、理論的に説明できることが分かりました。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 理学研究科 庶務係
TEL:06-6850-5280 FAX:06-6850-5288
E-mail:ri-syomu@office.osaka-u.ac.jp

1世紀前からの謎を解明!動物の左右をつくる新しい原理を発見 ―背腹をつくるしくみを利用した左右形成―

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大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻の小沼健助教、西田宏記教授らの研究グループは、脊索動物のワカレオタマボヤOikopleura dioica (以下、オタマボヤ) が、背腹の向きを決めるタンパク質 (Bmp) を利用して、左右の違いをつくることを明らかにしました (図)。Bmpには発生過程で神経形成を抑える働きがありますが、オタマボヤはBmpを「右側に働かせる」ことを介して、その反対側の「左側に」神経管をつくることが分かりました (図)。また、オタマボヤには左側決定因子であるNodal遺伝子がないことも分かりました。これらは左右形成のしくみに新たな一石を投じる発見であり、ヒトにも共通するオタマジャクシ型の体づくりの理解につながると期待されます。

本研究成果は、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)(2020年2月6日付)」(オンライン)に公開されました。

図 成果のまとめ

「体の右側に」 Bmpが発現するが(紫,右図)、これは「胚の右側由来の」細胞で起きる(左図)。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 助教 小沼 健(おぬま たけし)
TEL:06-6850-6760
E-mail: takeo@bio.sci.osaka-u.ac.jp

乱れのない固体結晶で電子スピンがガラス化する機構を理論的に解明

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大阪大学大学院理学研究科物理学専攻の大学院生光元亨汰さん(博士後期課程)、東京大学大学院総合文化研究科の堀田知佐准教授、大阪大学サイバーメディアセンターの吉野元准教授の研究グループは、パイロクロア格子と呼ばれる正四面体のネットワーク構造をもつ固体結晶を舞台に、その格子点上に位置するモリブデンイオンがもつ電子スピンがガラス化する不思議な現象のメカニズムを、スーパーコンピューターを駆使した理論的な研究によって明らかにしました。

これまでこうした電子スピンのガラス状態は、不純物など外因性の強い乱れがある場合にしか理論的にはあり得ないとされてきました。そのため、こうした乱れのない純粋な物質で起こる電子スピンのガラス化が、実際になぜ起こるのかは大きな謎でした。

今回、吉野准教授らの研究グループは、電子スピンのガラス化の背後に潜む、電子のもう一つの顔、軌道自由度に注目しました。原子核の周りをまわる電子を、太陽の周りをまわる地球に例えれば、スピンは地球の自転に、軌道は太陽の周りの地球の公転に対応します。図でスピンは矢印で表していますがこれは自転軸に対応します。また量子力学によれば、電子の軌道は「雲」のようなものとしてイメージできます。

パイロクロア格子は正四面体をつなぎ合わせた形状をもっており、正四面体の各頂点にあるモリブデンイオンのもつ電子スピンは、それぞれ隣の頂点の電子スピンと、電子軌道を介してお互いに強く影響し合います。格子がきれいな規則的構造を保っているときは電子スピン間もすべて等しい関係にあるため、その影響がならされて互いにてんでばらばらの向きに自由に回転し、特定の磁気的な構造をもつことはありません。

ところが、正四面体がゆがむと、電子軌道の形が変形し、この軌道を介した電子スピン同士の関係も変化します。例えば図において、隣同士の電子スピンで互いに同じ向きに向こうとする強磁性的な相互作用(青太線)と、反対向きに揃おうとする反強磁性的相互作用(赤太線)という、場所によって異なった関係が生じます。

研究グループは、格子全体でみて四面体が不規則に乱れたパターンでゆがむ効果が、電子スピン間に空間的に乱れた関係をもたらすことに着目しました。スーパーコンピューターによる大規模計算によって、電子スピンと、格子・軌道の歪みがともに乱れた状態のまま同時に凍結した、スピンと軌道のガラス転移が、もともと乱れのないきれいな結晶で起きることを理論的に示しました。これにより、ソフトマターから固体物理学にまでまたがった物理学の未解決問題である「ガラス転移」の理解が大きく進むことが期待されます。

本研究成果は、米国科学誌「Physical Review Letters」に、2月25 日(米国東部時間)に公開されました。

図 パイロクロア格子のひずみがない一様な場合(左)と正四面体がばらばらにひずんだ状態(右)。ひずみによって離れた電子スピン間で強磁性的に揃おうとする相互作用(青太線)と、反強磁性的に向きを逆にそろえようとする相互作用(赤太線)が乱れた配置で生じる。四面体の頂点にあるモリブデンスピンがこれと連動してガラス的に乱れた状態になる。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 サイバーメディアセンター/大学院 理学研究科
物理学専攻(兼任) 准教授 吉野 元 (よしの はじめ)
TEL06-6850-6841 FAX: 06-6850-6842
E-mail: yoshino@cmc.osaka u.ac.jp

令和2年度春学期の授業について

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学生の皆様へ

3月18日付で大阪大学HP及びKOAN掲示板にて
「授業、期末試験への対応について」が掲載されました。
理学部・理学研究科においても、令和2年度春学期の授業については、
原則として、当初の予定どおり4月9日を授業開始日とします。
なお、今後著しく状況が変化した場合は、取扱いを変更する可能性がありますのでご留意ください。

令和元年度卒業式・大学院学位記授与式を挙行しました

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令和元年3月25日(水)に大阪大学吹田キャンパス コンベンションセンターMOホールにて、各学部・研究科代表者のみ出席のもと卒業式・大学院学位記授与式を行いました。
また、同日に理学部・理学研究科において学科・専攻ごとに学士学位記及び修士学位記授与式を開催し、D501講義室にて、田島研究科長、各専攻長出席のもと博士学位記等授与式を執り行いました。
この3月には理学部生273名、理学研究科博士前期課程283名、博士後期課程52名が修了しました。

 


磁気ゆらぎを利用した巨大磁気抵抗効果の観測に成功 ―単一結晶のみを用いた磁気デバイス応用への道―

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大阪大学大学院理学研究科の大学院生の谷口祐紀さん(博士後期課程3年)と新見康洋准教授らの研究グループは、フラストレート磁性体と呼ばれる磁気ゆらぎの強い結晶を用いて、単一結晶のみで巨大磁気抵抗効果の観測に初めて成功しました。

巨大磁気抵抗効果とは、磁気をもつ鉄やコバルトのような磁性薄膜と、磁気を持たない銅のような非磁性薄膜を何層も重ねた系で実現する現象で、身近なところではハードディスクドライブの読み取りヘッドにも応用され、2007年のノーベル物理学の受賞対象にもなっています。通常巨大磁気抵抗効果には、2種類以上の物質が用いられ、さらに高度な成膜技術が必要でした。

そこで研究グループは、フラストレート磁性体と呼ばれる磁気ゆらぎが強い磁性体に着目し、単一結晶のみでの巨大磁気抵抗効果の観測を目指しました。先行研究では、フラストレート磁性体の純良結晶が得られていないことが巨大な磁気抵抗効果を測定する上で問題でしたが、研究グループはその物質をマイクロメートルサイズに微細化することで、純良な結晶を抽出することができました。この純良な結晶で磁気抵抗を測定(図)した結果、これまでより弱い磁場で、しかも単一結晶のみで巨大磁気抵抗効果を観測することに成功しました。これは、磁気ゆらぎという新しい機構に基づいた巨大磁気抵抗効果で、単一結晶のみを利用した磁気メモリデバイスへの応用につながる大きな一歩となる成果です。

本研究成果は、米国科学誌「Scientific Reports」に、2月13日(木)19時(日本時間)に公開されました。

図:本研究で得られた巨大磁気抵抗と素子の電子顕微鏡像。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 准教授 新見康洋(にいみやすひろ)
TEL:06-6850-5586    FAX: 06-6850-5371
E-mail: niimi@phys.sci.osaka-u.ac.jp

急激に膨れる原子核 -カルシウム同位体で見つかった異常な核半径増大現象-

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理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター核分光研究室の田中聖臣研修生(研究当時)、RI物理研究室の武智麻耶客員研究員、福田光順客員研究員、櫻井博儀室長らの国際共同研究グループは、質量数42から51までのカルシウム(Ca)同位体の核物質半径を初めて測定し、二重魔法数核のカルシウム-48(48Ca)を超えた領域で突如起きる異常な構造変化を発見しました。

本研究成果は、理論研究にインパクトを与えるもので、原子核構造分野の新たな原子核描像の構築に貢献すると期待できます。

原子核の半径を測定することは、原子核の基本的な性質を知る上で非常に重要で、その系統的な研究から中性子ハロー、中性子スキン核といった特異な構造が明らかになってきました。

今回、国際共同研究グループは、理研RIビームファクトリーにおいて、不安定核を含む質量数42から51までのCa同位体42-51Ca(陽子数20、中性子数22-31)の相互作用断面積を測定することで、それらの核物質半径を初めて系統的に決定しました。この結果、中性子数28を超えた同位体では、通常の原子核に比べ、半径が急激に増大することを見いだしました。この半径の増大は、原子核内の陽子分布の広がり(荷電半径)の変化よりもはるかに大きく、中性子分布の広がりが急激に膨らんだことによるものです。しかし、この半径増大現象は従来の理論では説明できず、謎の解明には、今後の研究の進展を待つ必要があります。

本研究は、科学雑誌『Physical Review Letters(2020年3月13日付)』(オンライン)に掲載されました。

48Caを超えた領域で見つかった核物質半径の異常増大現象とイメージ図


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 准教授 福田 光順(ふくだ みつのり)
TEL:06-6850-6736 FAX:06-6850-6734
E-mail:mfukuda@phys.sci.osaka-u.ac.jp

グラフェン・ディラック電子の対称性の破れを観測 –極限超強磁場サイクロトロン共鳴実験が明かすディラック電子の真実 –

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東京大学物性研究所の中村大輔助教、齋藤宏晃大学院生(研究当時)、嶽山正二郎教授(研究当時)、関西学院大学の日比野浩樹教授、大阪大学全学教育推進機構(理学研究科兼務)の浅野建一教授からなる研究グループは、炭素原子1層から成るグラフェンを対象に、560テスラまでの磁場下においてサイクロトロン共鳴実験を行い、電子のエネルギーが離散化することにより生じるランダウ準位構造を調べました。その結果、300-500テスラの磁場領域でサイクロトロン共鳴スペクトルに明確な分裂が観測され、「電子と正孔間の対称性の破れ」が生じていることを示しました。

単層グラフェンは電気的・熱的伝導性が従来の半導体に比べて極めて優れており、かつフレキシブルな電子デバイス材料であるために、応用に向けて世界中で開発研究が行われています。電気的伝導性を担うのが、質量ゼロの電子であるディラック電子であり、ディラック電子そのものの性質を知ることが、グラフェンの電子デバイスとしての性質を高める上で不可欠です。これまで、人為的にひずみ等を加えた単層グラフェンでは、電子と正孔のランダウ準位構造が非対称的になるという報告がありました。しかし、歪みのない理想的な単層グラフェンに関しては、電子と正孔の非対称性が極めて小さいと考えられていた為にこれまで実験的に観測された報告例はありませんでした。

磁場下では、電子の運動エネルギーが離散化したランダウ準位が形成され、その間隔は磁場が強くなるほど大きくなるため、超強磁場を用いることによって高い分解能でランダウ準位を決定することが可能になります。本研究では、物性研究所が有する世界で唯一100テスラ以上でのサイクロトロン共鳴実験とその精密な計測を行うことが可能な、1000テスラ級電磁濃縮法超強磁場発生装置を用い、精緻な実験を行うことにより観測に成功しました。

本成果は、「電子・正孔間の対称性の破れ」が歪みのない単層グラフェンそのものの性質であることを発見し、究極の電子デバイスとしてグラフェンを利用する際に重要となるデイラック電子の隠れた性質を明らかにしました。本成果は、アメリカ物理学会が刊行する科学誌「Physical Review B」のEditors’ suggestionに選定され、米国東部時間3月16日版に掲載されました。

 電磁濃縮法による超強磁場発生の模式図

重い金属製の一巻きコイル(主コイル)内に軽い金属の円筒(ライナー)をセットし、主コイルに大電流を瞬時に流すことで、電磁誘導によりライナーに大電流を生じさせ、両者の間の電磁力により軽いライナーを超高速に収縮させる。このとき、あらかじめライナー内に導入しておいた初期磁束がライナー内に閉じ込められたまま濃縮されることで超強磁場が発生する。収縮するライナー内に測定物質を入れておくことで、超強磁場中での物性の変化を調べることができる。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 全学教育推進機構/大学院 理学研究科(兼務) 教授 浅野 建一(あさの けんいち)
TEL:06-6850-6955
E-mail:asano@celas.osaka-u.ac.jp

新型コロナウイルスへの対応について

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学生・教職員の皆様へ

3月27日付で大阪大学HPに新型コロナウイルスへの対応について(令和2年度入試 合格者の方へ)が掲載されました。
また、前回お知らせした学生・教職員向けの情報も3月27日に更新されております。

新型コロナウイルスへの対応について、今後も大阪大学HPにて更新される可能性がありますので、学生・教職員の皆様におかれましては、随時上記URLのご確認をお願いいたします。

理学研究科公開講座「Science Night 2020」

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この世は謎に満ちています。私達は、なぜ今ここにこうしているのか、それを知りたいと思いませんか。この世(宇宙)の始まりやこの世の果てを知りたい、この世を形づくっている物の起源を知りたい、私たちの体がどういう仕組みで動いているのか、つまり私たちがなぜ生きているのかを知りたい、いろいろな物質の不思議な性質の仕組みを知りたい・・・。理学の研究は、そんな素朴な疑問や興味から出発した研究です。その成果の一部を、多くの方に紹介し、少しでも“おもしろい!”という気持ちを共有していただけたら、と思ってこのイベントを計画しました。どうか、ひとときの科学の夕べをお楽しみいただければ、と思います。

【概要】
第1回 5/20(水)化学の目から見た免疫の仕組み
深瀬 浩一 教授(化学専攻)

我々の身の回りは、ウイルスや細菌、かびなどの微生物に満ちています。病原体も数多く存在し、生物はそれらから身を守るために、免疫機構を進化させました。自然免疫は、動物や植物に普遍的に存在する免疫機構であり、免疫細胞に存在する多数のセンサー受容体がバクテリアなどの病原体由来分子を検出して、直接病原体を殺すとともに、抗体産生などの獲得免疫系を活性化します。これらの仕組みについて化学の目から紹介します。

第2回 6/17(水)我々は宇宙の進化をどこまで理解したか
長峯 健太郎 教授(宇宙地球科学専攻)

我々の宇宙はダークエネルギーとダークマターに満たされていて、空間の曲率はほぼゼロという奇妙で謎めいた存在です。一方で、素粒子の標準理論と同じような意味で、宇宙構造形成の標準モデルも出来上がってきました。関連する話題として、2019年のノーベル物理学賞が、宇宙の進化を物理学的に解明した功績によって、ピーブルス名誉教授に授賞されました。ピーブルス氏の1960年代からの研究業績を振り返りつつ、我々人類がこの半世紀の間にこの宇宙の進化をどこまで深く理解したのか、解説します。

第3回 7/22(水)原子核と元素合成の秘密
川畑 貴裕 教授(物理学専攻)

わたしたちの宇宙が誕生したとき、まだ宇宙には一切の元素が存在していませんでした。しかし、現在の宇宙には様々な元素が存在しています。全ての元素は137億年にわたる宇宙の進化の過程で原子核反応によって生み出されてきました。つまり、宇宙の歴史は元素合成の歴史でもあり、宇宙の成り立ちを明らかにするためには、原子核のことを詳しく調べる必要があるのです。今回の講座では、広大な宇宙とミクロな原子核の不思議な関係についてお話ししたいと思います。

第4回 10/21(水)強磁場科学へのいざない
萩原 政幸 教授(附属先端強磁場科学研究センター)

我々の身の回りにある様々な物質の性質を調べる物性科学では、物理パラメーターと言われる磁場や圧力等を物質に加えて、その応答から物性を明らかにし、普遍的な学理に結び付けていきます。このパラメーターの中で磁場は物質の性質を決める電子の自由度(スピン、軌道)に直接作用し精密に制御可能なものです。強い磁場で物質の状態を変えることができる場合もあります。大阪大学には世界屈指の強磁場施設があります。今宵、強磁場を用いた科学に皆さんをいざなってみたいと思います。

第5回 11/18(水)左利きと右利きの細胞の生物学~動物が左右非対称になる仕組み~
松野 健治 教授(生物科学専攻)

動物のからだの構造や機能には、左右非対称性が頻繁にみられます。ヒトの心臓が左側にあることや、巻貝の貝殻の巻方向が種ごとに決まっていることなどがその例です。最近の分子生物学の進歩によって、からだの左右非対称性が形成される仕組みが明らかになってきました。その仕組みは、動物の分類群で異なることがわかっています。細胞レベルの左右非対称性から、からだの構造の左右差が生み出される驚くべき仕組みについてお話しします。

第6回 12/16(水)化学と「高分子説」100年
佐藤 尚弘 教授(高分子科学専攻)

ドイツの有機化学者スタウディンガー(1953年ノーベル化学賞受賞者)が、この世の中には数千をはるかに超える多数の原子が化学結合でつながった巨大分子(高分子)が存在すると提唱してから、今年でちょうど100年になります。この「高分子説」が、その後人々の暮らしに与えた影響は計り知れませんが、発表当時にはほとんどの化学者に受け入れられず、スタウディンガーはほぼ10年間孤軍奮闘しなければなりませんでした。「高分子」という概念が、化学に如何に重大な問題を提起したか、それを人類はどのように解決していくのかについてお話しします。

【開催時間】
いずれも18:00~19:30
【対象者】
一般の方(社会人、学生、興味をお持ちの方はどなたでも)
【申込方法】
「サイエンスナイトWebサイト」の申込フォームからお申し込みください。
【受講料】
全6講義すべて受講  6,600円
1講義~数講義を選択受講 1,600円(1講義当たり)
【定員】
各回100名

(サイエンスナイトWebサイト)
https://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/science-night/

 

【変更】4/6(月)大学院新入生オリエンテーションについて

令和2年度春~夏学期開講専門科目履修手続きについて

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理学部学部学生の皆さん
理学研究科大学院生の皆さん

令和2年度春~夏学期開講専門科目履修手続きについての情報をKOAN掲示板に掲載いたしましたのでご確認ください。

学部学生の掲示PDF大学院生の掲示PDF


2020春夏学期オナーセミナーの申込について

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2020年度春夏学期オナーセミナーについて以下のとおり情報を更新します。

① 申込方法
メールでの申込を受け付けます。
申込書を記入しPDFまたは写真撮影したものをメール添付でお送りください。

注)
● 物理オナーセミナー
シラバスに記載のとおり所属する学科で、物理オナーセミナーを受講する時点以前の必修専門教育科目の単位を修得していることが必要です。
● 化学「学生提案型化学オナーセミナー」・生物オナーセミナー
受講希望者は先に指導を受けたい先生へコンタクトをとってください。

② 物理オナーセミナー
板橋先生、青木先生の「反粒子の世界」は開講しません。

③ 数学オナーセミナー
セミナーに関する打ち合わせ等は申込者にのみ追ってご連絡します。

*「2020年度春夏学期オナーセミナー開講案内(第3版)」はこちら
* 申込用紙はこちらのページからダウンロードしてください。

申込書提出期限:4/13(月)13:00(数学)
        4/15(水)13:00(物理、化学、生物科学)
申込書提出先: 理学部プロジェクト事務局(C203)
   honor@phys.sci.osaka-u.ac.jp

ミクロ法則とマクロ法則を橋渡しする新しい関係式を発見 ~量子力学と熱力学がそれぞれ与える感受率の間の関係を解明~

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東京大学大学院総合文化研究科先進科学研究機構の千葉侑哉大学院生、清水明機構長、大阪大学全学教育推進機構(理学研究科兼務)の浅野建一教授は、ミクロな法則である量子力学と、マクロな法則である熱力学とを橋渡しする、新しい関係を理論的に発見しました。

まず、物質に磁場を突然かけたときに量子力学に従って磁化が誘起される程度を表す感受率が、かける磁場の波数の関数として不連続に飛ぶことを示しました。そして、この飛びの前後の値が、ゆっくり磁場をかけて熱力学に従って磁化が変化する場合に得られる二種類の感受率にそれぞれ等しくなることを発見しました。さらに、このように量子力学の結果と熱力学の結果が綺麗に整合するために物理系が満たすべき条件も明らかにしました。

これらは、ひとつの物質にミクロ法則とマクロ法則が矛盾なく成り立っている仕組みと関係を解明するための重要な一歩になるものです。

図:物質に外部から印加している磁場をΔhだけ増やすと、磁化がΔmだけ変化する。この過程が、量子力学的なクエンチ過程の場合(赤)と、断熱容器に入れた熱力学過程の場合(青)、そして、温度一定の熱力学過程の場合(緑)の、3つのケースについて、感受率Δm/Δhを比較した。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 全学教育推進機構/大学院 理学研究科(兼務) 教授 浅野 建一(あさの けんいち)
TEL:06-6850-6955
E-mail:asano@celas.osaka-u.ac.jp

越智正之助教(物理学専攻)が令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました

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物理学専攻物性物理学理論研究室の越智正之助教が令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。
本賞は萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に授与されます。

今回の受賞は、越智正之助教の「拡張された低次元電子状態と物性機能に関する第一原理的研究」が高く評価されました。

なお、表彰式につきましては、4月13日から19日までの科学技術週間中に開催を予定しておりましたが、受賞者をはじめとする多数の参加者への新型コロナウイルス感染リスクを考慮し、中止することとなりました。

(参考)文部科学省HP
    令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞 受賞者一覧

人類の悩みのタネ、歯周病をもたらす 歯周病菌5型線毛の構造と線毛形成のしくみを解明

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大阪大学大学院理学研究科の今田勝巳教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST) のマティアス・ウォルフ准教授、柴田敏史博士、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の庄子幹郎准教授、中山浩次名誉教授の共同研究グループは、歯周病菌の線毛の構造とできあがるしくみを明らかにしました。

歯周病は、歯の喪失をもたらす病気で、近年は糖尿病や心疾患など様々な病気と関連することが明らかになっています。歯周病の原因は、歯周病菌が線毛を使って歯の表面に形成するバイオフィルムです。歯周病の主要病原細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingvalis、以下、ジンジバリス菌)は、5型線毛という他の細菌と全く異なる線毛を持ち、線毛のタイプが病原性と密接に関連しています。しかし、5型線毛がどのような構造を持ち、どのように形成されるのかは不明で、その解明が望まれていました。今回、共同研究グループは、X線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡解析を用いて5型線毛の原子レベルの構造を解明しました。そして遺伝子変異による解析結果も組み合わせることで、線毛形成機構を解明しました。切断された線毛蛋白質から飛び出たドナー鎖が隣の線毛蛋白質の溝に挿入されることで次々と線毛蛋白質が繋がり、線毛が形成されます。

本研究から得られた知見は、歯周病などジンジバリス菌を原因とする疾患に対して線毛をターゲットとする新薬開発への大きな一歩です。また、健康や病気との関連で最近注目されている腸内微生物叢の主要な構成細菌はジンジバリス菌の仲間であるバクテロイデア綱細菌であり、5型線毛を持ちます。今回の成果は、わたしたちの健康に大きな影響を持つ腸内微生物叢形成の理解にも大きく寄与する成果です。

本研究成果は、2020年4月14日0時(日本時間)、国際科学雑誌「Nature Microbiology」にオンライン公開されます。

図 ポルフィロモナス・ジンジバリス(ジンバリス菌)の電子顕微鏡画像

ジンバリス菌の細菌細胞は、線毛と呼ばれる細い毛髪様構造で覆われている(赤に彩色)。線毛の直径は人の毛髪の直径1万分の1以下。

写真提供:OIST

プレスリリースの全文をResOU(ウェブページ)で閲覧する(準備中)

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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 教授 今田勝巳(いまだかつみ)
TEL 06-6850-5455, 5456 FAX 06-6850-5455
E-mail kimada@chem.sci.osaka-u.ac.jp

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